【後編】BGMの著作権について ~実例を交えたケーススタディ~

結論から言うと、勝手に「音楽を商用利用」≒「音楽を使ったサービスやコンテンツで間接的にお金を得ている」場合は、だいたいのケースで違法となります。この記事ではBGMの使用と著作権の問題について、具体的なケースに触れながら説明していきたいと思います。

基本的な用語や違反した場合の罰則については前編で説明しているので興味がある方はこちらもご確認ください。

利用許諾が不要なケース

私的利用のための複製

自分自身や家族などの限られた範囲内で利用する場合、楽曲の複製は自由に行えます。ただし友人間でのやり取りについては、実は複製権の侵害にあたる可能性があります。家族同然の親しい間柄であれば私的複製の範囲になると考えられますが、ただのクラスメイトや会社の同僚くらいだと私的複製の範囲外と考えられます。私的複製における明確な基準はありませんが、上記のように解釈が分かれそうなものについては避けておくのが無難かもしれません。

良い例)レンタルショップで借りたCDを自身のPCに複製し、iPhoneなどのデバイスに複製する

営利目的ではない上演

学園祭でのバンド演奏や、合唱コンクール、音楽教室の発表会など、営利を目的とせず、観客からの料金支払いや演奏者への報酬支払が発生しない場合は、許諾をとらずに自由に演奏することができます。

著作権の保護期間が切れている楽曲の使用

著作権には保護期間が定められており、原則的には著作者が楽曲を制作した時点から著作者の死後70年までとされています。
この保護期間を過ぎているものに関しては、「パブリックドメイン(略してP.D.)」として著作者の許諾を取らずに使用することができます。ただし、実際にパブリックドメインの曲だからといって必ずしも商用に利用してよいわけではありません。

著作権の保護期間が切れた楽曲の使用について別の記事でもう少し詳しく書いていますので、気になる方は下記をご覧ください。

次は利用許諾が必要なケースについて、どのような場合にどのような手続きが必要か、具体的なケースを交えて説明していきたいと思います。

利用許諾が必要なケース

結婚披露宴での利用

結婚披露宴で流すBGMは一度に多くの人が聴くことになるため、著作権の支分権である演奏権の観点から利用許諾を得る必要があります。ただし、多くの式場はJASRACと包括契約を結んでいるため、JASRACが管理する楽曲であれば個別に申請する必要なく使用できる場合が多いです。一部式場や式場以外の場所では包括契約が結ばれていない場合もあるため、利用する会場にあらかじめ確認することをおすすめします。

また、式場が許諾を得ている場合でも注意しなければいけないのが、必ず市販のCDを用意しなければならない点です。レンタルしたCDをスマホに複製したものや、一般向けの音楽配信サービスは使用することができません。

演奏する場合

JASRACが管理しているアーティストの楽曲を式場でバンド演奏する場合も、BGMで流す場合と同様に演奏権が働きます。式場がJASRACと包括契約していれば、新郎新婦側で申請手続き等する必要はありません。

ムービーを作成する場合

BGMつきのムービーを制作してディスクに焼く場合は複製利用にあたるため、著作権支分権の一つである「複製権」が働きます。この場合、JASRACが管理する著作権の許諾だけでなく、レコード会社が管理している著作隣接権(原盤権)についても許諾を得る必要があります。レコード会社から許諾を得る際は代行業者を利用することが一般的です。

著作権の申請とか色々めんどう!と思われる場合は著作権管理団体に権利を預けていない楽曲を直接購入して使用するのがよいかもしれません。

参考:国内最大級の商用音源販売プラットフォーム「Audiostock

店舗や施設での利用

2002年4月までは利用許諾を得ずにCDなどをBGMとして使用することができたため、それ以前より店舗経営されている方は知らず知らずのうちに違法利用している場合がありますが、現在は店内でBGMとして音楽を流す場合でも演奏権が働くため、利用許諾を取る必要があります。

JASRACへの申請方法

JASRAC管理楽曲を店舗のBGMとして利用する場合は申請書を提出し、店舗の大きさに応じた使用料を払わなければなりません。詳しい申請方法についてはこちらをご確認ください。

JASRACへ申請する以外の方法

著作権の申請がめんどう!という方はお店向けに設計された著作権問題がクリアになっているサービスを利用するとよいかもしれません。みせスト!を運営している株式会社クレオフーガでは低価格・高品質な店舗向けBGMサービス「Audiostock store music」を提供しています。気になった方は是非無料でお試しください!

インターネット上での動画配信

例外はあるものの、基本的に個人レベルで有名な楽曲を合法的にYoutubeなどで利用することは、必要な手続きを考慮すると不可能に近く、使えば違法となると考えておいてよいでしょう。

YouTubeなどの動画配信サイトに自分で制作した動画をアップロードする場合、著作権だけでなく原盤権にも注意しなければいけません。基本的に他者の楽曲を使用した動画をアップロードする場合、その動画サイトがJASRACなどの著作権管理団体と許諾契約を締結しており、さらに使用する楽曲について音源製作者やレコード会社などに原盤権の許諾を得ている必要があります。より詳しく知りたい場合はJASRACの公式サイトをこちらからご確認ください。

結婚披露宴でのケースと同様に、Audiostockなどのロイヤリティフリー形式で音源を販売しているサービスで購入したものは、一度購入すればインターネット動画でも安心して利用することが可能です。

まとめ

いかがでしたか?

基本的にJASRACで管理しているようなメジャーな楽曲はビジネスや公の場で利用する場合、正しい申請の手続きをする必要があります。利用する場合はしっかりと調べて申請を行うか、権利関係がクリアになっているサービスを使うことで合法的な音楽の利用を心掛けましょう!