お店のリピーターを増やして売上をUP!

いかにバケツに水を汲んでもそこに穴が空いていたら何回汲んでも水は溜まりません。同様に、お店に新規のお客様をいくら呼び込んでもリピーターとして定着してもらえなければ売上は永遠に安定しません。

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの発見した統計に関する法則に当てはめて考えると、あなたのお店の売上の8割は消費金額が多い上位2割のお客様、すなわちリピーターによって作られていると推測できます。

飲食店やカフェなどで店舗売上を上げるために「いかにお店のリピーターを増やせるか」は非常に重要なカギとなってきます。今回はお店のリピーターを増やす上で知っておくべきポイントや方法についてお話ししたいと思います。

あなたのお店のリピート率は何%?

すぐに回答できなかった方はまず、自分のお店の新規顧客・リピート顧客のおおよその割合の把握から始めるとよいでしょう。

ご参考までに一般的な飲食店について言及すると、新規のお客がもう一度お店に来てくれる確率は40%程度、二回来たお客様が三回目に来店してくれる確率は80%程度だと言われています。

この数字はあくまで参考値ですが、大事なのはしっかりと自分のお店の新規・リピーターの割合を把握し、リピーターを増やすために具体的な施策を実行し、試行錯誤を繰り返していくことです。
ではどのようにして新規・リピーターを把握すればよいでしょうか?

まずは新規のお客様を見極めよう

新規のお客様にはしっかりとお店の良さを伝え、是非また来てもらいたいですよね。でも意外と初めての人なのか、ちょっと前に実は来たことがある人なのか、見分けられないということもあるかと思います。人の記憶力は確実ではないですし、日々数十人のお客様にサービスを提供していたら仕方のないことです。

ここではいくつか新規のお客様の見分け方についてお話します。

①ポイントカードなどの特典を準備する

最近では身近なものとなっているポイントカード。これはお客様にお得感を与えてもう一度来てもらうようにする仕掛けではありますが、実はお客様が初めてなのか二回目以上なのかを見極める手段にもなります。

初回ご利用のお客様に対して「次回ご来店の際にポイントカードを最初に提示してくれたら○○をサービスします!」とお伝えしておけば、カードを提示された場合は二回目以上、提示されなかった場合はカードの有無を聞くことによって新規のお客様か否かを判断することができます。

②説明が必要な独自サービスを提供する

今でこそ広く知られていますが、とんかつ屋でゴマをするためのすり鉢を持ってきて「使い方はご存じでしょうか?」と聞くオペレーションは、もともと有名とんかつチェーン店が新規のお客様を見極めるために始めたものです。

このように、使い方や食べ方についてあえて一言説明が必要なものを用意することによって、お客様との会話から新規か二回目以上なのかを判断することが可能です。

③顧客情報をしっかりと記録・管理し、”活用”する

病院では患者の症状を記録し、それに対してどのような薬を処方したかを記録しています。これにより、患者が初めてか二回目以上かだけでなく、より詳細に情報を把握した上で適切な対応をすることが可能になります。美容室などでも最近はお客様がどのような悩みを持っており、誰がどのような施術をいつ頃施したか記録するようになっています。

少々手間はかかりますが、この手法は飲食店においても非常に有効です。例えば、レストランへ二回目に訪問した際に、前回話した些細な内容がサービスに反映されていたらちょっと感動しますよね?このようなサービスを受けたお客様の再訪率は各段に上がると思われます。

余談ですが、私のお気に入りのカジュアルフレンチのお店では二回目の訪問時に、前回私がどういう好みでどういうワインを注文したかをしっかり把握されていました。そして二回目訪問の注文時に「○○がお好きでしたよね?それであればメニューに書いてないのですが△△を開けることができますが如何でしょう?」とレコメンドして頂き、その居心地の良さと料理がおいしいことと相まって、それから1,2か月に1回程度継続して訪問しています。

もちろん記録する情報量が多くなればなるほど手間と時間がかかってしまうため、この方法を実行する場合は抑えるべき情報をしっかりと厳選し、手間と効果のバランスを見極める必要があるでしょう。最近では非常に便利なCRM(顧客関係管理)システムも色々あるので、手動での管理が難しく多少お金をかけてもいいようであれば、これらのシステムの導入を検討してみてもよいかもしれません。

お客様がリピートしてくれない理由

はてな、女性、なぜ

さて、自分のお店のお客様のおおよそのリピート率が把握できたとします。
一度来てくれたお客様がリピートしない理由、わかりますか?

実はこれといった理由がない場合がほとんどです。

あなたがコンビニでA社のお茶を買ったとします。この時、B社から「なぜB社のお茶を買わなかったのですか?B社の改善点はなんですか?」と聞かれて明確に答えられるでしょうか。「なんとなく」「Aが好きだから」「Aが目についたから」などと、B社とは関係のない理由があがってくるのではないでしょうか。

お店を選ぶことに関しても似たようなことがよくあると思われます。あなたのお店に特に落ち度はなく、むしろ悪くなかったと思われていたとしても、お客様は「あのお店に行きたい」、「そういえばあそこはよかったな」と想起するような別のお店に足を運んでしまいます。たくさんの選択肢がある中であなたのお店にまた来てもらうためには、セールスポイントや他店との差別化を図る方法を明確にし、そこに価値を感じてもらうことでお客様の記憶に残るような工夫をしなければなりません。

リピーターを増やす上で大切なこと

  • あなたのお店のコンセプトはなんですか?
  • ターゲットとなる顧客像は明確に描けていますか?
  • その人は日頃どのような行動習慣がありますか?
  • その人を呼び込むためにどのような取り組みをしていますか?
  • 取り組みの効果検証はできていますか?

しっかりとお客様にお店の価値を感じてもらうには、コンセプトとターゲットが明確であることと戦略が一貫していることが大切です。クーポンの配布やSNSの更新、チラシ配りなどの細かな施策も大切ですが、前提として大きい地図が描けていたほうが施策の効果もより大きなものとなるでしょう。

ビジネスで用いられるフレームワークを活用して情報を整理することで、現状の課題や抜け落ちていた視点に気づくことができるかもしれません。例えば5W1Hは非常に便利なフレームワークです。これにWhomを足した6W1Hを一つとっても、下記のように考えるべきことはたくさん出てきます。

Why(なぜ)
なぜやるのか。どうありたいか。
When(いつ)
営業時間帯は朝か、昼か、夜か、深夜か。季節ごとに何をするか。中長期的にどうありたいか。
Where(どこで)
お店をこれから開業する場合、どこに構えるか。候補地が複数ある場合、どのようなメリット、デメリットがあるか。すでに構えてる場合は、その場所の活かすべき強み・補うべき弱みは何か。具体的にどう対応するか。
Who(だれが)
経営者の強み・弱みは何か、人物像とお店のコンセプトに一貫性はあるか。接客する従業員の理想像はどのようなものか。どのような採用を行い、何について重点的に教育をするべきか。
What(なにを)
どのようなサービスを提供するか。競合と比較した際の強み・弱みは何か。差別化ポイントは何か。
Whom(誰に)
具体的なターゲット像。年代、性別、居住地、世帯収入、行動範囲、利用するSNS、連絡先、来店履歴などの属性情報。
How(どうやって)
どのような方法でやりたいこと、目標を達成するのか。

フレームワークを活用して情報を整理したら、お店のコンセプトと矛盾していないか、ブレているところがないか、一貫した施策を行っているかなどを確認してみましょう。
他にもいくつか代表的なものを記載しますので、興味がある方は是非活用してみてください。

【STP分析】
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとったもので、市場ニーズを満たす上で自社サービスの立ち位置を決めるためのフレームワーク。
【SWOT分析】
強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字をとったもので、自身のお店や周りの環境について分析し、最適化を図るためのフレームワーク。
【3C分析】
顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字をとったもので、マーケティングにおける課題を導くためのフレームワーク。
【4P分析】
製品(Product)、価格(Price)、場所(Place)、プロモーション(Promotion)の頭文字をとったもので、マーケティングにおける戦略を策定するためのフレームワーク。

最後に

今回はリピーターを増やす上で知っておきたいことについてまとめてみました。

お店のコンセプトを明確に、一貫した戦略を実行・検証・改善してまた実行していくことであなたのお店のリピーターはきっと今より増えるはずです。是非、この機会にお店の現状を分析してみてください!